京都の紅葉の魅力
京都は美しい街、いつ訪れても風情のある場所です。梅や桜の花が儚く散り急ぐ春、新緑越しに日差しのきらめく夏、純白の雪が羽めいて舞い散る冬……
しかし、やはり京都と聞いて真っ先にイメージするのは、紅葉の色鮮やかな暖色に包まれる季節――秋、ではないでしょうか。
実際、京都を訪れる観光客が最も多い時期は秋なのです。京都にいつ訪れても、その建物や名産物が変わることはありませんが、景色は季節によって、がらりと印象が変わってしまいます。
その移ろう景色――季節の中で、多くの人の心を捕えたのが、秋の紅葉なのですね。
それにしても、『京都の紅葉がどうしてそんなに愛されるか』と聞かれれば、答えは一つだけではありません。
まず、紅葉は秋になれば京都でなくても見られるのですが、京都の紅葉は本当に見物なのです。京都の気候や風土が、紅葉が綺麗に見える条件と適しており、紅葉に彩られた絶景が数多く見られるからです。
また、京都の観光名所は、全体的に年配者向けの場所が多いのだそうです。
建築物の相性が理由として挙げられるでしょう。
先ほども言った通り、紅葉は秋になれば何処でも見られますし、田舎の山や公園でも見られます。山が一面、紅葉の暖色に染め上げられる様は圧倒されるものがありますし、見慣れた公園が色鮮やかに彩られるのも何ともオツです。
紅葉とは、何処で見てもなるほど、もともと美しいものなのです。
しかし、京都で見る紅葉はそれに付け加え、一段と、よそで見るより美しく見えるのです。
和風建物と紅葉の組み合わせは違和感がなく、互いに溶け合った風景が生まれるのでしょうね。特に日本人からすれば、感動的な景色に見えるはずです。実に、日本人の好むところを押さえているのだと思います。
これこそ、京都の紅葉が愛される所以なのかも知れませんね。
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毘沙門堂
ひとつに数えられている天台宗の寺院です。
703年に創建され、当初は出雲路にあり御法山出雲寺と
呼ばれていましたが、1665年に山科に再建されのちに門跡寺院となり、今に至っています。
七福神のひとつである毘沙門天が本尊として祀られている
毘沙門堂には、数多くの重要文化財が奉納されており、
襖絵「九老之図」を始め、貴重な装飾や絵画を観賞する事ができます。
古い歴史を持ち、名所のひとつともされている毘沙門堂は
隠れた紅葉名所として、秘かな人気を集めています。
貴船神社
京都の左京区にある貴船神社はそれらの総本山で、
古い歴史を持つ由緒正しい神社として崇められています。
本宮前の御神水は名水としても知られている貴船神社は、
水の神様としての信仰があり、古来より日照りや長雨の時には
勅使(天皇様のお遣い)が差し向けられ、祈雨が行われていました。
また、和泉式部が夫の愛を取り戻すために参拝し
願いが叶ったことから、縁結びの御利益もあると言われています。
三千院
大原の里にあり天台宗の門跡と呼ばれる三千院は、
782年、伝教大師の時代から1200年以上続く大変歴史のあるお寺です。
2600平方メートルという広大な敷地内には、
往生極楽院をはじめ、2002年に国宝指定された
阿弥陀三尊坐像や重要文化財に指定されている数多くの
像や書物が奉られています。
一年中観光客で賑わう三千院は、特に紅葉の時期になると
観光客で溢れかえるほどの人気をみせます。
京都御所
住まわれていた場所で、現在も当時のままを保っている日本の貴重な文化遺産です。
寺院などが多くあげられる京都の観光名所の中で、
京都御所は寺院以外の名所の代表格と言えるでしょう。
京都御所を参観するには、通常は事前に申込みが必要ですが、
春秋の年2回だけ一般公開が行われる時期があります。
春は桜、秋は紅葉に彩られた京都御所を見物できるとあって、
一般公開の際には多くの観光客が訪れます。
知恩院
由緒正しい寺院と言えば知恩院があげられます。
浄土宗の総本山とされている知恩院は鎌倉時代に始まり、
徳川家光が1639年に御影堂、1621年には
三門が建立されて現在の形が作られています。
知恩院には本堂をはじめいくつもの建造物や工芸品が
重要文化財に指定されています。
なかでも世界最大級を誇る国宝の三門は
映画「ラストサムライ」に使われた事でも有名ですよね。
常寂光寺
嵯峨野にある常寂光寺(じょうじゃっこうじ)です。
紅葉の季節になると、観光客でとても混雑する人気ぶりの
常寂光寺は、嵯峨野を代表する紅葉の名所と言えるでしょう。
普段は落ち着いた雰囲気のある山門や参道が、
秋になるとカエデやモミジで真っ赤に染まり、
それはまるで紅葉のトンネルといった感じです。
平等院
京都に訪れた際には、金閣寺や清水寺に並んで
足を運んでみたい寺院として大変人気があります。
平等院は、光源氏のモデルとなった源融(みなもととおる)の別荘を藤原道長が譲りうけ、
息子頼道が寺院に改めたものです。
補修工事などはされていますが、創建から1000年経った今でも
当初のままを保っている鳳凰堂は非常に貴重な建造物です。
インパクトのある鳳凰堂と、それを囲む池との調和が素晴らしい平等院は、
紅葉スポットとしても知られています。
清水寺
実際には覚悟を決めて飛び降りるほどの高さはないのですが、
その清水の舞台からは京都の街が一望できる壮大な景色が広がっています。
オールシーズン観光客が訪れる清水寺ですが、
中でも紅葉の時期になると一段と観光客が賑わいをみせます。
紅葉に彩られた清水寺は非常に美しいものがあり、
その光景を一目見ようという人たちが足を運ぶのです。
京都府立植物園
またデートスポットとしても人気のある植物園です。
1924年開園という歴史のある京都府立植物園では、
広大な敷地の中に12万本もの植物が植えられており、
一年中四季折々の植物を観賞する事ができます。
中でも秋は見事な紅葉風景を堪能できるスポットとされています。
銀閣寺
豪華な印象をもつ金閣寺に比べて銀閣寺は
「侘び」「寂び」という対称的な雰囲気の寺院です。
銀閣寺の正式名称は「東山慈照寺」と言います。
1482年室町時代に8代将軍である足利義政によって建立された
銀閣寺にはさまざまな逸話があり、
歴史マニアの間では金閣寺よりも銀閣寺の方が人気があると言われています。
金閣寺
有名な所は、言わずと知れた金閣寺ではないでしょうか。
足利義満が築いた山荘「北山殿」を、義満の死後に
義持が禅寺にしたものが金閣寺で、正式名称は「鹿苑寺(ろくおんじ)」と言います。
1950年に放火され全焼してしまいましたが、その5年後に
復元され、2003年には金箔を塗り替える全面改装が行われています。
また1994年には世界文化遺産としても登録されました。
嵐山
それは京都の由緒ある建造物が、色鮮やかな紅葉に彩られ
秋の名所めぐりとして有名な事からもおわかりだと思います。
暖かみと哀愁を漂わせる紅葉と、神聖な雰囲気を醸し出す建造物が重なると、
神秘的でなんとも奥深い美しさが漂います。
京都の紅葉は、早い所では10月中旬から見る事ができますが、
11月中旬~下旬頃が紅葉の色づくピークとされています。
京都の紅葉を見物する名所は数多くあり、
その中でもより美しいとされる紅葉の名所をご紹介していきます。